事例:株式会社南企画設計
限られた予算とタイトなスケジュールをクリア。
Autodesk Revit Architectureの3次元モデルをプレゼンに利用し、高級マンションの設計プロセスを迅速化。

わずか10日間で高級マンションのデザインを提案
株式会社コスモスイニシアは、新宿御苑沿いの「フォルム内藤町」マンション計画を立ち上げました。それまでユーザーニーズにこたえた堅実なプランを実行に移し、いくつものマンションプロジェクトを成功させてきた同社にとって、高級マンションの経験はあまり豊富ではありませんでした。
そこでパートナーに選ばれたのが、有限会社小林宏設計事務所と株式会社南企画設計。
株式会社コスモスイニシアでは、必ず社長が同席し外装や共用部の細部に渡って検討を行う会議を全物件において開催しています。しかし「フォルム内藤町」では提案までの期間はわずか10日間しかありませんでした。期間内に、デザインを提案してクライアントの同意を取り、施工事業者に成果物を引き渡さなければならないという非常にタイトなスケジュールの中でデザインがスタートしました。
そこで南企画設計は、今回担当した高級マンションの顔となる建物の導入部分で、エントランスやロビー、ラウンジ、エレベーターホールなどのデザインに、試験的にAutodesk Revit Architecture 2008を導入。設計およびプレゼンテーション用のツールとして全面的に活用することを決めました。従来のような2次元図面やサンプル写真、材料のサンプルなどを使ってのプレゼンテーションだけではイメージが浮かびにくく、短期間に同意を取ることは困難でした。そこで、Autodesk Revit Architectureで構築する3次元モデルそれ自身をプレゼン資料として使い、さらに提案書作成までの期間を大幅に短縮させることを狙ったのです。
結果として、意匠設計担当者から入手したCADデータをAutodesk Revit Architectureに取り入れ、基礎となるモデル作成を半日強で完了し、意匠デザインに時間をかけることができるようになりました。エントランス部分のアイコンとなるアートワークは、パラメトリックに振る舞うようにすることで、さまざまな設計案を検討できました。

Autodesk Revit Architectureにより作成されたエントランス部分の3次元モデル。図面と比べて形状を把握しやすい。
求められる以上の提案が可能
基礎モデルの構築が完了すると、詳細な設計に入りました。
Autodesk Revit Architectureを使用したことで、当初から3次元モデルとして設計を考え始めたため、細部のデザインまで立体的に把握することができたといいます。これまで2次元ツールを使っていたころには見過ごしやすかった納まりなど細部までデザイン検討もすることができました。
また、基礎モデルに上階も含めてモデル化したことで、建物全体の理解も容易になり、導入部分と上階のデザインのトランジションなど業務範囲以上の設計提案を提示することが可能になりました。
CG制作会社との協業を加速
さらにAutodesk Revit Architectureは、CG制作会社との協業プロセスで効果を発揮しました。提案資料にはCGも含まれるため、レベルの高いCGパースを作成するにはCG制作会社との協業は不可欠。ただ、わずか10日間という限られた時間の中でできることは限られてしまいます。
そこで南氏は、CG制作会社との打ち合わせの回数とできる限り減らす決断を下しました。一般に、打ち合わせ回数の削減は品質の低下に結びつくと考えられがちだが、このケースではその考え方からして異なります。Autodesk Revit Architecture で作成した詳細な3次元モデルを3D-DWGに変換してCG制作会社に提供しました。 これによって、CG制作会社のモデリング作業が格段に軽減され、質感や照明効果により注力することが可能になりました。
その結果、10日間で2次元図面と材料サンプルのほか、精度の高いレンダリングイメージ3シーンに加えアニメーションも成果物として提出することができました。 さらに、プレゼンテーション当日はモバイルPCを持参しAutodesk Revit Architectureのモデルを直接スクリーンに投影し、要望に合わせてその場で様々な角度からパースを作成したり、カメラを移動して建物内を歩き回るなど、インタラクティブなプレゼンテーションを行いました。
こうして実現されたプレゼンテーションは、短期プロジェクトながら極めて完成度の高く、クライアントから全面的に受け入れられました。現在、株式会社コスモスイニシアのWebサイトで、フォルム内藤町はひときわの輝きを放っています。
南氏は、「アイディアをクライアントと共有するには、図面(2次元)より、アイソメやパース(=3次元)の方が圧倒的に情報量が多く理解しやすい。試験的な挑戦ではありましたが、Autodesk Revit Architectureを使ってよかったですね。図面とモデルが連動し同時に作成できるAutodesk Revit Architectureはスピードと品質が求められる我々には必須のツールになりました。時間が足りない中でここまでの設計提案ができるのは圧倒的です。これからも積極的にAutodesk Revit Architectureを使って仕事のクオリティーとスピードを上げていきたいですね。」と話しています。
プロジェクトプロフィール
プロジェクト名:フォルム内藤町
用途:マンション
規模:鉄筋コンクリート造、 地下2階 地上14階
敷地面積:947.32m²
所在地:東京都新宿区内藤町
ギャラリー
会社プロフィール
代表:南 裕二郎 氏
竹中工務店設計部を経て、2003年南企画設計を設立。30数年の経験を生かして価値ある住空間の提案を続けている。 駒沢ガーデンハウスを始めBLOSSOM TERRACE、パークハウス南平台など高級・外国人向けマンションや超高層などを手がける。 グッドデザイン賞(グローブコート大宮南中野)、神奈川県建築コンクール最優秀賞(TERRACE HACKBERRY)ほか多数受賞。
有限会社小林宏設計事務所
代表:小林宏 氏
竹中工務店設計部を経て、1990年リクルートコスモス一級建築士事務所長に就任。
2005年小林宏設計事務所を設立。
【導入製品/ソリューション】
Autodesk Revit Architecture
【導入目的】
・効率よく、効果的な訴求力のある提案を作成
【導入効果】
・ハイエンドな空間設計と細部までのデザインを実現
・3次元モデルをビジュアライゼーションに流用し、効果的なプレゼンテーションを実現。設計意図が明確に伝達でき、役員プレゼンテーションが1回で完了し、設計案が承認される
【今後の展開】
別プロジェクトへとAutodesk Revitの利用を拡大









